高強度異形鉄筋による圧着接合を利用したRC構造ボックスカルバート
「MaxBox-PJ」は、部材から突出させた高強度異形鉄筋をナットで締付け、圧着力により接合させる工法です。高強度鉄筋が構造用鉄筋と緊張材の役割を担うため、過密配筋が避けられ、頂版部がスラブ形状、側壁部材がL字型に単純化でき、経済性と施工性が大きく向上しました。
特長
1.高強度異形鉄筋による圧着式接合方法
高強度鉄筋と構造用鉄筋との引張耐力差を利用して接合面に圧着力を与えることで、接合界面の剥離制御と復元特性により耐久性が向上します。
2.経済性と施工性
過密配筋が避けられ、部材も単純化できることで、製造、運搬及び施工が容易となり、経済性と施工性への効果が大きくなります。
3.鉄筋コンクリート構造
接合部に安全性を担保した鉄筋コンクリート構造として取り扱うため、カルバート工指針等に準拠した常時・地震動の作用に対する構造計算が可能です。
4.隅角接合部の現場打ちコンクリート不要
接合部分には後打ちの現場打ちコンクリートが不要であるため、品質や耐久性の向上が期待できます。
5.大幅な工期短縮
現場工程が少ないため大幅な工期短縮が可能で、施工期間、施工時期の制約がある現場での対応が可能になります。
施工手順
1.基礎工の施工
基礎砕石、定規工、基礎コンクリートを施工。定規鋼材は基礎コンクリート上面から10mm程度高く設置する。
2.側面部に足場工を設置
サイドウォールと所定の離幅で、側面部両側に手摺先行型枠組足場を設置する。
3.サイドウォール設置
クレーンで定規材の上に据え付ける。
4.ヘッドスラブ設置
接合面にエポキシ系樹脂を塗布し、ヘッドスラブの接合部シース孔に突出鉄筋を挿入させながらクレーンで吊り下ろす。
5.連結工(1次締め付け)
頂版上面に突出した高強度異形鉄筋に、定着プレート、締付けナットをセットしトルクレンチで締め付ける。
6.縦締め工
2函体の据付後、函体間を目地間隔まで引き寄せる。縦締め用シース孔にPC鋼材をセットし、油圧ジャッキで締め付ける。
7.連結工(2次締め付け)
1次締付けと同様にトルクレンチで所定のトルク値まで締め付ける。
8.充填、グラウト工
ヘッドスラブの接続部と縦締め部シース孔に無収縮モルタルを充填する。
9.保護コンクリート
頂版上面の定着部保護のため、コンクリートを打設する。
10.底版コンクリート・防水工
サイドウォールのフーチング突出鉄筋と底版コンクリート鉄筋を重ね継ぎ、コンクリートを打設する。函体間の目地・部材接合部に防水シートを施工する。